8月5日は「タクシーの日」 でも本当は...

記念日

今日は「タクシーの日」です。タクシーの日とは、日本で初めてメーター付きのタクシーが営業を開始した日を記念として、1989年に制定された記念日です。タクシーの日は毎年8月5日になっていますが、実はその日付には諸説があります。今回は、タクシーの日の由来や歴史についてご紹介したいと思います。

「タクシーの日」の由来

タクシーの日が8月5日になった理由は、1912年(大正元年)8月5日に、東京・有楽町に設立された「タクシー自働車株式会社」が、T型フォード6台で営業を開始したとされることに由来します。
このタクシー会社は、当時としては画期的なタクシーメーターを採用しており、料金算出が正確で公平だったことから、利用者にはとても人気がありました。当時の料金は、最初の1マイル(約1.6km)が60銭、加算料金は0.5マイルごとに10銭、待ち料金は5分ごとに10銭でした。深夜や雨天やぬかるみの場合は、0.25マイルごとに10銭増しだったそうです。

「タクシーの日」の諸説

前出のタクシー自働車株式会社の営業開始日が、実は8月5日ではなく8月15日であることが今となって明らかになっています。1961年に刊行された「日本交通社史」には、当時の新聞記事や広告画像が掲載されており、「来る15日より運転開始」と書かれています。
また、自動車史家の佐々木烈氏も2017年刊行の「日本のタクシー自動車史」で、複数の資料から開業日が8月15日であることを確認しています。

では、なぜ8月5日がタクシーの日として定着したのでしょうか。一説には、開業予定日は当初8月5日だったが、明治天皇の崩御や改元などの混乱の中で営業開始日を延期せざるをえなかったという説もあります。しかし、この説は確かな根拠がなく、推測に過ぎません。もう一つの説は、タクシー自働車株式会社の設立登記が1912年(明治45年)7月10日だったことから、設立日と営業開始日を混同した可能性があるというものです。しかし、これも確信を持てるものではありません。

結局、8月5日が何の日だったかは今も不明です。しかし、すでに40年近く8月5日がタクシーの日として扱われてきたことから、事実はどうであれタクシーの日は8月5日で良いじゃないかという考え方もあり、タクシーの歴史や文化を振り返り、感謝する機会として捉えることができれば、それもひとつの意味があるのではないでしょうか。

「タクシーの日」のイベント

タクシーの日には、全国各地で様々なイベントが行われます。例えば、東京ハイヤー・タクシー協会では、タクシー乗り場の清掃活動やタクシー利用者への感謝状贈呈などを実施しています。また、一部のタクシー会社では、タクシーの日に乗車したお客様に記念品やサービス券などをプレゼントするキャンペーンもあります。
タクシーの日には、タクシーに乗ってみるといいことがあるかもしれませんね。

東京ハイヤー・タクシー協会のホームページ

「タクシーの日」に関する雑学

最後に、タクシーの日に関する面白い雑学をいくつか紹介します。

  • タクシー自働車株式会社は、1912年に設立されましたが、1919年に解散したこともあります。その後、1920年に再建されたものの、1923年の関東大震災で壊滅的な被害を受けました。その後も何度も再建を試みましたが、経営難に陥り、1937年には日本交通株式会社(現在の日本交通株式会社)に吸収合併される事となりました。
  • タクシー自働車株式会社が採用したT型フォードは、アメリカで生産された最初の大量生産型自動車です。1908年から1927年まで製造されたT型フォードは、世界中で約1500万台が販売されました。T型フォードは安価で信頼性が高く、自動車普及の先駆者として知られています。
  • タクシーメーターは、1891年にドイツ人発明家のフリードリッヒ・ヴィルヘルム・グスタフ・ブルーノ・ゲルリッヒが特許を取得したものが最初です。ゲルリッヒは自動車用ではなく馬車用のメーターを考案にしました。その後、自動車用のメーターが開発され、1907年にパリで初めて使用されました。日本で初めてメーター付きのタクシーが登場したのは1912年ですが、そのメーターはアメリカ製でした。
T型フォード

以上、タクシーの日に関して調べてみました。
今やタクシーは私たちの生活に欠かせない移動手段ですが、その歴史や文化について知ることで、より親しみや感謝を持つことができると思います。
タクシーの日は8月5日ですが、毎日タクシーを応援していきましょう!

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