当時はバブル絶頂期だった。世の中は本当に「浮かれている」と言う言葉がピッタリだった。
私も長期の海外出張から帰ってきて、思いのほか貯金も貯まり、少しばかりバブっていた事を覚えている。そんな時に出会った本が山崎武也著「一流の条件」だった。人として「一流」であることの条件とは?ビジネスマンとして、そして日本人として大切なことは何かをご紹介したいと思います。
「本と知恵は貸すな」から学ぶこと
山崎武也氏の「一流の条件」は四部構成になっており、「第一部 自分のスタイルをつくる」の中に「本と知恵は貸すな」という章があります。
本を読むと捨ててしまう人がいる。全部頭の中に入ったので読み返す必要もないので、もう不要なのだ言う。
山崎武也著「一流の条件」より
こういう人はきわめて例外的であって、普通の人はおもしろい本であったり、参考になる本であれば、本箱に入れてとっておく。中を開いて読まなくても、本箱に入っている本の表題を見るだけで内容の概要は頭に浮かんでくる。
表題を見ただけではどんな内容であったかを思い出せないときは、ページを開いて拾い読みすればよい。一生懸命読んだ本である。せめてそういう形でもよいから、読み返す努力をしなければもったいない。そこで本箱が生きてくるのである。
たしかに、本箱にならんだ表題を見るだけで、私もおおよその内容が浮かんでくる。
欲しいアイデアを取り出すのにも素早く対応できるので、同感だ。
また、著者は本を人に貸すことに対して否定的である。
本を読み終わっておもしろいと思っても、どこの書店でも売っているような本でない限りは、友人に読んでみることをすすめたりしないほうがよい。貸してくれると言う人がいるだろうし、本を人から借りる習慣のある人は、貸したら最後で、返ってくる可能性は皆無に等しい。
山崎武也著「一流の条件」より
そう、貸したら最後、返ってくることなどないのである!
これとよく似たものがCDであったりレコードである。返ってこなかったものが沢山あり、貸したことを後悔したものだ。
ダウンロードすれば一発で叶う、デジタル時代の人達からしたら、ちょっと不思議に思うかもしれないですね。
私は少し古典的なのか、本をデジタルで読むことは殆どありません。
デジタルの本と違い、実物の本には、表題や表紙の色を見ただけで内容が分かったりするのはもちろだが、思いついた事を探す速度と一気に得られる情報量が半端なく高いと思う。
パラパラと素早くページをめくるだけで、探したかったところを見つけ出すこともできる。もちろんデジタルでも付箋やマーカー機能はあるが、それだけでは不十分なときがある。
それは、頭の中で思いつたことや思い出したことが、以前にマークしていたところと必ずしも一致しないことの方が多いということだ。かすかな記憶を辿っていけるのである。
つまり、直感的にものごとを調べるのには実物の「本」の方が有利だということだ。
少し本題から逸れてしまったが、著者の言っていることの中には「知恵(アイデア)」も貸すなということがある。
『お知恵を拝借』と言って、アイデアや助言を求められることがあるが、そのことについて著書では顧問契約や稽古事を例に説明している。
知恵提供業務の内容は目に見えないので、質のグレードがはっきりしない。それだけに、質の良いものが出てくる条件を整えておく必要がある。
山崎武也著「一流の条件」より
知恵は正価を払って「買う」ものだ。
本でもそうだが、やはり何らかの対価を得るためには、無償で拝借するのはおかしいと思う。
支払う側も、高いお金を出したのだから、沢山吸収しようという心意気もでてくるし、もらう側も慎重に考えるもんだ。
やはり、「本と知恵は貸すな」これはビジネスマンはもちろん社会人誰もが、心にとどめておきたい「一流の条件」ではないだろうか。
「一流の条件」について
山崎武也著「一流の条件」は1990年9月1日に日本能率協会マネジメントセンターより発行された書籍であり、サブタイトルは「ビジネス・スタイルを固める43章」である。
当時のビジネス書としてベストセラーになるほど有名な書籍であり、読んだ方も多いのではないだろうか?今では廃刊なったのか、書店では見かけないが、英文にも訳されて海外でも出版されていたほどである。
amazonで探せば、中古が手に入るかもしれませんが、今日の本文からは外れてしまうのであまりお勧めできませんが、「どうしても手に入れたい」という方だけにはお勧めします。
まとめ
「本と知恵は貸すな」まさしくその通りだと思う。一流の人はやらないと思うし、知識や知恵、アイデアというものを大切にしていると思う。
お金を出して得たものには確かに価値があるし、それ相応の情報には正価が必要だと考えます。
最後に、私が人に本を貸さない理由にはもう一つあります。
再販するつもりなどないし、本は自分の大切な知識の一部なので、メモしたり付箋を貼ったり落書きしたりマーカーで色を塗りまくって汚しています。それを人に見られるのがチョット恥ずかしかったりするからです。
以前、どうしても手に入れたい本があったので、中古で本を購入したことがあります。
そこには以前の持ち主が書いたであろうマーキングがされたいました。
「えっ、ココ?」と思ってしまった自分がいたからです。色々な考え方に触れる切っ掛けにはなりますが、人との違いを感じたものです。
また、気になる事があればお伝えいたします。
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